わたしたちからみたアサヒ工作所さん
根底に流れる美しく強い"モットー"

学生である私達とも丁寧に名刺交換していただきました。
谷川社長から最初に伝えられた言葉は、こうでした。「うちは決して目立たない。目立たないものをつくっているが、欠かせない技術なんです」
ここは摂津市にあるプラスチック製造の会社で、特に熱硬化性樹脂と呼ばれるプラスチックを専門にしています。この熱硬化性樹脂は、高温で加工しても変形しない特性を持ち、耐熱性や耐薬品性に優れているため、自動車部品や電気機器、建築材料など、さまざまな分野で使われています。
普段の生活で意識しなければ、これがプラスチックであることすら気づかないことが多いです。しかし、この会社が製造している熱硬化性樹脂は、私たちの生活を支える重要な役割を果たしています。例えば、自動車のエンジン周りの部品や、電気機器の絶縁材料として使われることが多く、その耐久性と信頼性が求められています。
この会社がつくっている製品は、一見すると目立たない存在ですが、その技術は非常に重要であり、欠かせないものです。その事実を谷川社長の言葉から強く感じ取ることができました。
現場第一の"心遣い"

広く充実した検査室。
工場には、特殊加工用の珍しい機械が並んでいます。最新の機械も多く導入されており、熱硬化性樹脂を設置し、プログラミングに従って切削や成型を行います。
その作業中には非常に多くのプラスチックの切片が粉のように舞い上がり、それが皮膚につくとかゆみを引き起こすことが多いため、長袖・長ズボンの着用が必須です。夏の暑さ対策として、工場内は冷房が完備されており、従業員の健康と快適さを考えて残業をできるだけ減らし、休日もきちんと確保しています。
また、重労働なタスクが少ないことから、製造業には珍しく男女比が5:5となっています。工場内では多くの女性が働いており、その働きやすさが目に見えてわかります。最新の設備と快適な労働環境、そして従業員同士の協力が、この工場の生産性を高めています。
製造業そのものの"未来"を考える

最新機器も備わっている。
アサヒ工作所さんは「製造業をより多くの人に知ってもらいたい」という強い想いから、2025年の万博に出展を予定しています。製造業は日本の基幹産業でありながら、その勢力は年々衰え、「メイドインジャパン」のブランドも同様に失われつつあります。この現状に対し、強い危機感を抱いているそうです。
中小の製造業は大手企業を支え、その結果として日本全体を支えています。しかし、その中小企業が注目を集めることはあまり多くありません。谷川社長はこの現状を深く理解し、その必要性を従業員にも社会にも伝えたいという信念を持っています。
ここは、未来を見据えて製造業のあり方を常に考え続けている熱くかっこいい会社です。万博への出展を通じて、より多くの人々に製造業の重要性と魅力を伝えることで、日本のものづくりの未来を切り開いていく姿勢は、多くの共感と支持を集めることでしょう。
プラスチックといえばペットボトル程度の知識しかなかった私たちに、谷川社長は優しく丁寧に接してくださいました。明るく楽しい話から、深く考えさせられる話まで、非常に多くのことをお話いただきました。
その人柄からも、従業員のみなさんが社長を慕っている理由がしっかりと伝わってきました。
社長インタビュー

簡単に言うと、プラスチックの加工を行っています。プラスチックを大きく分けると2つあり、熱可塑性と熱硬化性があります。アサヒ工作所では、熱硬化性の加工を主に行っています。
流れとしては、依頼者から図面をいただき、図面通りにプラスチックを加工していきます。製品として、わかりやすいのは絶縁体です。例えば、電車や制御装置において電気を通してはいけない裏の部分を作っています。
我が社の強みは特殊なプラスチック加工を行っているところです。この加工を取り扱っているところは少ないです。ただ一方で、これは強みでもあり弱みでもあります。それだけ需要性が少ないということを意味しているからです。
やっぱり「見えないところを支えている」ということを誇りに思うことです。私達の製品は見えるところになく、ほとんど隠れています。一番身近なのは、パソコンの中にある緑色の基盤です。この基盤に穴を開けたり削ったりして加工しています。
通常、目に見えることはないのですが、欠かせない技術であり、人々を支えていることを誇りに思っています。
残業をできる限り少なくしていることです。世間でも働き方改革と言われていますが、うちもできるだけそうなれるように頑張っています。休日出勤も昔は普通でしたが、今ではありません。
働きがいに繋がるかは分かりませんが、面接の時に良く言うのは「仕事を好きになって」と伝えています。好きなことって飽きないし楽しいからです。そして、楽しいことは苦にならないからです。なので、どのようなことでも良いから自分が好きになれるものを探して、と伝えています。
魅力は物を作ることですけど、人の目につかない部分を作っているので、陰で支えているということが一番の魅力だと思います。
一緒に楽しく働きましょう!
社長の言葉の端々に、社長の優しさや愛情深さが溢れており、従業員を大切にしていることがよく伝わってきました。できるだけ楽しんで仕事をしてほしい、仕事を好きになってほしい、ただそれを押し付けない、そういう人を想う心がこの会社の空気を作っているのだろう、と感じました。
従業員インタビュー

8時30分に始業で17時30分が定時です。ここから忙しければ残業があります。休憩時間は1時間10分です。
残業は月で見ると10時間〜20時間ほどあります。休日は家族と過ごしています。
私は、基本は事務作業をしていますが、たまに現場を手伝うときがあります。その時は、教えてもらいながら、普段作らないようなものができた時はやりがいを感じます。
やっぱり、もの作りです。機械を使って加工を行い、様々なことができる、という感動があるな、と思います。
事務作業でミスをして会社に迷惑をかけたのですが、社長に助けてもらい最小限に抑えることができたことが1番印象に残っています。
細かい作業やもの作りが好きな方は、一度体験や見学に来てもらえたらなと思います。
社長も同席されていたインタビュー中、終始ほぐれた雰囲気で、社長と従業員の間の絆を強く感じることができました。お互いのコミュニケーションには必要以上の遠慮がなく、普段から信頼があるからこそこの空気感が生まれるのだろうと感じました。