わたしたちからみた花岡工務店さん
大工集団の工房—職人が集うからこそ、仕事が舞い込む
取材は工房から。温浴施設向けのサウナ製作が佳境を迎えていました。
大阪・摂津市の花岡工務店さんは、大工を中心とした木造リフォーム・店舗改装・新築を手がける建築工務店です。2004年、19歳から大工一筋の花岡雅仁社長が立ち上げ、いまでは15名ほどの職人が所属しています。大工だけでなく造園職人や、仕上げを担う「洗い(美装)」の専門職、元消防士まで顔ぶれは多彩。合言葉は「関西一キカクガイ」です。
最初に訪れたのは街なかの自社工房。現場で使う木材を加工する拠点で、いまはオーダーメイドサウナの製作現場でもあります。この日は関西の温浴施設へ納める大型サウナの製作が佳境を迎えていました。
工房に大型の機械はほとんどありません。主役は丸ノコやインパクトドライバー。「馬」と呼ばれる木製の作業台の上で木材が加工されていく光景は、昔ながらの大工の仕事場そのものです。「墨付け・刻み」を手作業で行い、釘を使わない伝統工法にも対応できるといいます。サウナを根底で支えているのは、こうした大工技術です。
これだけの自社職人を抱える工務店は珍しい存在です。3年前に異業種から転職してきた山中さんは、職人たちが生き生きと働く姿に驚き、「この人たちをもっと世の中に知ってもらいたい」と考えました。その思いが、サウナ事業の原点になります。
「作れるよ」の即答から—「摂津サウナ」が年間40台に
敷地に置かれた薪ストーブ式のバレルサウナ。取材チームも中に入らせてもらいました。
きっかけは3年前、メーカー製サウナの周りを仕上げる現場でした。「これを自前でつくれたら武器になる」とひらめいた山中さんが社長に尋ねると、返事は即答で「作れるよ」。「じゃあ、なんで作らないんですか」「売り方がわからんからや」。そんなやり取りから手探りで始めて3年。いまでは「摂津サウナ」のブランドで年間40台限定のオーダーメイドサウナを手がけています。車の中やタワーマンションのシューズクローク、温泉施設、離島まで、納めた場所はさまざまです。
高温多湿で木が反りやすく、消防の申請も必要なサウナは、つくれる工務店が多くありません。花岡工務店さんは経験を重ねてノウハウを蓄積し、工房で大部分を組み上げてから現場へ運ぶことで工期も短縮。製造から設置まで自社で完結できる一貫体制が大きな強みです。
形は樽型・四角・三角と自在で、畳一畳ほどのサイズから20〜30人が入れる大型まで対応します。取材時点でも富山・岡山・栃木・茨城など全国から問い合わせが届いていました。「大工集団がつくるのだから、もっと和の要素を押し出したい。座面を畳にしたりして、海外の方にも届けたい」と、視線はすでに次へ向いています。
工房の脇には、軽トラックに薪ストーブ式サウナを載せた「サウナカー」も。川辺や湖畔へそのまま行けるこの車両はレンタルにも使われ、摂津市のイベントでは子どもたちにも人気だそうです。「いつか摂津を『サウナの街』と呼ばれる場所にしたい」。それが花岡工務店さんの描く未来図です。
箱にワクワクを詰め込む—脳トレ積み木「OHAKO」と、まちの「避ス地」
奈良・吉野ヒノキを使った18面体の脳トレ積み木「OHAKO(おはこ)」。一つひとつに家族の思いを刻印できます。※刻印部分はプライバシー保護のため加工しています。
サウナ事業は当初「ハコ」という名前で構想されていました。「家も箱、サウナも箱。箱って、開ける前からワクワクするもの。どうせならワクワクが詰まった箱をつくろう」。この発想から生まれたのが、木製の知育玩具「OHAKO(おはこ)」。「大阪製ブランド2025」の認定商品です。
18面体の積み木が18個、木箱に収められています。一つひとつに名前の由来や生まれたときの身長など、母子手帳に書くような思いを刻印でき、出産祝いや誕生日の贈り物として届けられています。「敬老の日に孫全員の名前を刻んでほしい」という依頼に応えたこともあるそうです。
手に取ると吉野ヒノキの香りの強さに驚かされます。天然木なので重心やサイズが一つひとつわずかに違い、積み上げるにも箱に戻すにも頭を使う。まさに「脳トレ積み木」です。仕上げの蜜蝋ワックスは、赤ちゃんが口に入れても安心なものを自社で研究してつくり、職人が手作業で塗り込んでいます。
工房の隣では、さらに大きなプロジェクトが進んでいます。サウナのショールーム用に借りた約280坪の土地で計画が広がり、複合施設「避ス地(ひすち) 未知の駅 摂津サウナ」の建設が決まりました。名前には、日常のストレスからちょっぴり避難できる居場所という意味が込められています。目の前には新幹線の車両基地が広がり、ドクターイエローが入線する日には親子連れが並ぶロケーションです。
ここに新幹線を眺めながら入るサウナ、木の遊具で遊べるスペース、飲食、コワーキングスペース、イベント広場を整備し、「居・食・遊・癒」をテーマにした「第三の居場所」を目指します。来年5月の第一次工事完成に向け、設計から施工まで自社の職人と仲間で進めています。
今回の取材で最も心を動かされたのは、「作れるよ」の一言から始まったサウナ事業が、3年で会社の柱に育っていたことでした。その裏には「墨付け・刻み」や伝統工法といった、地道に積み上げられてきた職人の技術があります。
もう一つは「箱にワクワクを詰める」という考え方。家も、サウナも、積み木も、そして「避ス地」も、彼らにとってはすべて「ワクワクする箱」なのでしょう。手に残ったヒノキの香りとともに、ものづくりの楽しさに触れた一日でした。
社長インタビュー
うちは、自社の大工を中心とした木造リフォームや店舗改装、新築工事をメインの事業としてやっています。それに加えて、ハウスクリーニングやエアコン洗浄を専門にする職人も抱えています。
ただ、ここ3年で一気に伸びているのが「サウナ製造」です。本格的な木製サウナを自前でつくれる工務店が少ないこともあって、受注はいま月5〜6台。月10台の体制を目指しています。製造から設置まで責任を持てるのが強みですね。
そしてこれから本格始動するのが、学生連合を中心とした「地方創生」の事業です。隣に建設中の「避ス地」を拠点に、企業と学生、行政を巻き込んだ連合体をつくり、長く続く場所にしていきます。
学生連合は大きく3つの班に分かれています。一つは「ウェブ・アパレル班」。オンラインでグッズやサウナの販売を担います。二つ目が「空き家再生班」。摂津市内の空き家をリフォームして、街を盛り上げる拠点にする計画です。そして三つ目が「イベント班」。うちの施設を使ってさまざまな企画を打ち出し、摂津の皆さんを直接盛り上げていく。彼らの最終目標は、本気の地域創生です。
背景には、うちが長年続けてきた古い家の再生があります。現場の合間に古い物件を直し、最近はそこにサウナを組み込んで「摂津サウナ001号店」とナンバリングしているんです。サウナ付きの面白い家が増えていけば、「摂津ってなんか面白い街だな」と住みたい人も出てくるかもしれない。使い方は学生たちと一緒に考えていきたいですね。
僕自身がこの摂津市で生まれ育ったからです。人が温かくて本当に恵まれた街です。この地元を、目的を持って人が集まるにぎやかな街にしたい。それは僕の中で、ずっとくすぶっていた夢でした。
そこにこの2、3年、サウナを通じて人の縁が一気に広がり、工房の隣の土地を借りることもできた。「摂津にはみんなで集まって楽しめる場所がない。だったら俺たちがつくればいい」と。小さな工務店なので、アイデアをすぐ実行に移せる。僕自身、そういうチャレンジが大好きなんです。
僕はこれまで、仲間に、取引先に、地域の人たちに、何度もご縁で救われてきました。だから次は、僕が摂津市に「人の縁がつながる場所」をつくる番です。「縁をつなげて花となる」。これが花岡工務店の理念です。摂津市の企業さんたちにも「俺も一枚かんでやろうか」と面白がって加わってほしいですね。
施設には、地元で長年愛されたカレー店の味を復活させる飲食や、カフェも入る予定です。学生が勉強し、リモートワーカーが働き、出張の人がサウナに入ってカレーを食べて泊まる。子どもからお年寄りまでがくつろげる広場もつくりたいと考えています。
間違いなく「人間」です。うちは採用の基準を「人間力」一本に絞っています。極端な話、仕事の技術が高いかどうかよりも、仲間と円滑にやれるか、仲良くできるかが絶対条件。職人はそれぞれにこだわりを持っているぶん、仲間を思いやる気持ちを何より大切にしてきました。その結果、業界でも珍しいくらい「仲が良すぎる」会社になりました。
協力業者さんも含めてみんなが明るく連携しているので、外から来た人はこの雰囲気によく驚きます。協力業者も含めて「チーム企画外」と呼んでいて、同じロゴの名刺を持っているんですよ。
夏の暑さや冬の寒さがあっても、仲間同士の風通しが良ければ乗り越えられる。そこには自信があります。
難しい理屈は抜きにして、「明るく、楽しく、健康的に」です。僕は高校時代、甲子園を目指す野球少年でした。あの一体感は職人の世界によく似ている。だから会社を立ち上げたとき、「野球部みたいな熱いチームをつくろう」と決めました。一番大事なのは「気合と根性」。若い子たちもみんな、迷わずそう答えますよ。
いまの目標は、「避ス地」を成功させること。これがうちの「甲子園」です。頭で考えるより、まず目の前のことに一生懸命取り組む。気合と根性があれば、ゼロを1にすることは必ずできます。
毎朝の朝礼では「スタメン発表」もやっています。新人には「お前は7番ファーストや。初めての打席なんやから、ボテボテでもええから初球から振っていけ」と(笑)。仕事の指示とは関係ないんですけど、そういう空気づくりが大事なんです。
残業はほとんどありません。職人は日が暮れればスパッと帰ります。事務所のスタッフも、土日祝をしっかり休める体制を整えています。
うちのワークライフバランスの特徴は「社員の家族を巻き込むこと」です。もちろん参加は自由です。夏はバーベキュー、冬は忘年会を開いていて、職人や協力業者の家族も集まって80人規模になります。主役は子どもたち。ビンゴやプール、流しそうめんで楽しんでもらいます。
家族にはお父さんがどんな人たちと働いているのか意外と見えないものです。家族ぐるみの交流があると、心から応援してくれるようになる。家族の応援こそが、職人が現場で良い仕事をするための最大の原動力なんです。
あえて言うなら「会議をしないこと」。そのぶん日常の会話を多くしています。移動中の車内や作業の合間に相談し合う様子は、横で聞いていると夫婦漫才みたいで面白いですよ。
あとは朝礼です。朝は各自の現場へ直行しがちなので、朝7時に全員で顔を合わせて「おはようございます」と挨拶し、気持ちよく一日を始めます。
「目標を持て」とはよく伝えています。短期でも長期でも、「今日の現場では誰よりも大きな声を出す」でもいい。小さな達成を積み重ねることが成長につながるからです。僕らは「目標設定達成集団」なんだと言っています。
サウナを始めると言ったとき、伝統工法に誇りを持つ職人たちの反応は「何やこれ」でした。でも「今日1台売れたぞ」「よかったな」と一緒に喜ぶうちに目の色が変わり、いまでは「次の現場はどこですか」「出張でも行きますよ」と前のめりです。「みんなで一緒にやろうや」はいつも言っていますね。
一番は「無理をさせないこと」。猛暑の日は「今日はもう休め」と言いますし、やっつけ仕事になるようなスケジュールは組みません。
「早く終わらせよう」と焦ったときが一番怪我をしやすい。それよりも「そこまで丁寧にやってくれたんか」と喜ばれる仕事をしようと伝えています。仕事への誇りと心の余裕が、結果的に一番の安全対策だと思っています。
昔ながらの「師弟制度」です。親方と弟子の関係をはっきりさせ、「背中を見て覚えろ」を責任ある関係として形にしています。弟子の成長が遅ければ、それは師匠の責任。二人一組で動くことで、技術も心構えもしっかり身につきます。
組織もいま大きく変わっています。現場4人、事務所4人の計8人の幹部が、次は人を育てる立場になる。各事業も2人体制にして、「勢いのある工事屋」から「強い企業組織」へ進化しているところです。
毎日が「健康的で楽しいこと」。これに尽きるんじゃないでしょうか。もちろん、職人の世界なので頑張った分だけ給料もしっかり還元します。でも、お金よりも何よりも、人間関係が良くて仕事が楽しいということが一番。大人になっても本気で夢を追い続けられるチームなので、精神的な充実感はどこよりも高いと思います。
実はうち、求人広告を出したことがないんです。自然と「ここで働きたい」という人が集まってくれる。ただ「入社したいです」と来た人には一度帰ってもらって、「本気で甲子園を目指す野球部やぞ。覚悟があるならもう一度来い」と伝えます。もう一度来てくれる人は、やっぱり腹のくくり方が違いますね。
誰からも愛され、応援されるような魅力的なチームでありたい。自分たちが心底楽しんでいなければ、周りの人をワクワクさせることなんてできないですからね。
地方創生の「全国的な成功モデル」を摂津市でつくることです。「避ス地」はゴールではなく始まり。その先に「摂津といえばサウナの街」と言われる未来をつくりたい。施設には桜を植える予定で、5年後、10年後に創設メンバーでその桜を見上げながら「あのとき一緒に突っ走ってよかったな」と笑い合うのが夢です。
サウナ事業自体も、関西圏を飛び越えて全国から声がかかるようになっています。日本の職人がつくるサウナとして、和の意匠や畳といった独自のアイデアを盛り込み、ゆくゆくは海外にも打って出たい。
続けるためには若い力が欠かせません。若者だけでは越えられない壁は、僕ら大人が経験と人脈で越えていく。そんな世代を超えた仕組みをつくりたいですね。
これから仕事を探す人には、「条件だけで頭でっかちに仕事を選ぶな」と伝えたいですね。給料や休みの数も大事ですが、それ以上に「いまの自分は本気で夢中になれるか」「失敗を恐れず挑戦できる環境か」を問いかけてほしい。会社という土俵に乗っかって指示を待つのではなく、どんな立場で入っても「自分が主役だ」という気概で、自発的に動いてみてほしいんです。
直感で「ここは面白そうだ、やれそうだ」と思ったら、四の五の言わずに飛び込んでみればいい。全力でやってみて、それでも合わなければまた別の道を探せばいい。自分が心の底からワクワクして、人間として成長できる場所を見つけてください。
社長のお話で何度も出てきたのが「甲子園」という言葉でした。毎朝のスタメン発表も、若手への声かけも、比喩ではなく本気で野球部のような組織をつくろうとしている。この工務店の一体感の理由が分かった気がしました。
「人間力で採用する」という方針も、「人の縁に救われてきたから、次は縁をつなぐ番だ」という理念も、そのまま「避ス地」の構想につながっていました。
従業員インタビュー
朝7時、全員そろっての朝礼から始まります。名物のスタメン発表もこの時間です(笑)。10時と15時に小休憩、12時から13時が昼休憩です。
現場はだいたい16時か17時に片付けに入ります。夏は暑いから、冬は暗くなるのが早いからと、ベテランの職人さんが「片付けよか」と声をかけてくれるんです。
一言で言えば「めちゃくちゃ明るい」です。僕は社内で「ポジティブモンスター」と呼ばれていますが、僕以上にポジティブな職人がたくさんいます。年齢に関係なく、現場ではいつも会話や笑い声が飛び交っています。
もちろん安全に関わるポイントはしっかり指導します。仲の良さに甘えず、プロとしてのけじめがあるのもいいところです。
僕は長年アパレル業界にいて、建築業界はもっと厳しい世界だろうと想像して入社したんですが、そのイメージはすぐに変わりました。
残業はほとんどありません。職人さんには「働いた分だけ稼ぎたい」と祝日も出たい人が多いくらいです。事務所側は土日祝に休める体制を整えているところです。
この言葉、「ワーク」が先にくるのがいいなと思っています。仕事が充実していてこそ、プライベートも楽しめる。休まず働けという意味ではなく、仕事で気持ちよく頑張れていれば、休日の時間も生き生きしてくるということです。
花岡工務店は自分のペースをつくりやすく、仕事で全力で走ることも、休みの日に家族と出かけることも心から楽しめます。
家族ぐるみのイベントで子どもたちが主役になれるのも、この会社らしいところです。家族がお父さんの職場を知ると、心から応援してくれるようになりますから。
誰もやったことのない新しい挑戦を、仲間と一緒に形にできたときです。「避ス地」でカレー屋をやろうと決まったときも、飲食の経験者はいませんでした。仕入れのために摂津の農家さんを訪ねるところから始めています。
サウナも「これ、作れませんか?」という僕の提案から始まりました。「必要としている人がいるはずだ」と信じて、ゼロから試行錯誤を重ねた。毎日のようにゼロイチがあって、仲間と一緒に突破していく。これが面白いんです。
前職のオーダースーツ業界では20年間、「おもろい」を信じて突っ走る社長の右腕でした。あるセミナーで「おもろいかどうか、自分の本能を信じて進んだら、振り返ったら仲間と地位があっただけ」という言葉を聞いて背中を押され、花岡社長という「おもろい」人の元で、もう一度突っ走ってみようと決めました。
入社してすぐ「3カ年計画の10か条」をつくり、その中に「地域や家族を巻き込んだイベントを開く」という目標を入れました。当時は施設をつくるなんて夢のまた夢でしたが、あの一条がいまの「避ス地」の原点です。何より嬉しかったのは、みんながその計画を信じて一緒に面白がってくれたことですね。
いまが「発展途上」であることです。町の工務店が本気で地域を盛り上げようと、全員で甲子園を目指している。「避ス地」もゴールではなく、「摂津をサウナの街にする」ためのきっかけです。これほど大きな夢に挑む会社はそう多くないと思います。
クラウドファンディングも、名目は「創設メンバーの募集」。一緒に施設を立ち上げる仲間を集めています。
建築業界が人手不足と言われるのは、魅力がないからではなく、面白さが知られていないだけ。知ってもらえれば、業界の未来も街の未来も変えられると信じています。
完全に「おもろいかどうか」の基準ですね。選択に迷ったときは、どちらの道に進んだ方が圧倒的におもろいか。どちらを選べば後悔しないか。考える前にまず動く。やりながら考える。本当にそれだけです。
「ネットの情報だけで判断しないで」と伝えたいです。検索で出てくる情報は氷山の一角。実際に現場へ足を運び、自分の目で見て、空気を感じてから決めてほしいんです。
会社の知名度や規模に目が行きがちですが、まずは「仕事を通じて何をしたいか」「どう働いたら一番おもろいか」という軸を持つこと。そうすれば選択肢は自然と広がります。広げた中から、自分に合うものを選べばいい。
「AかBしかない」と悩んでいるなら、まだ動ける余地があります。商工会やビジネスサポートセンター、大学の先生を訪ねてみる。求人サイトに出ていない面白い会社はたくさんあります。一人で迷うなら友達を誘えばいい。立つ場所を少し変えるだけで、情報も縁も向こうからやってきますよ。
山中さんのお話で印象的だったのは、「面白い」と「おもろい」の使い分けでした。誰にでもできる仕事ではなく、唯一無二の「ゼロイチ」を自分の手で切り拓く。その感覚がサウナ事業を生み、いま「避ス地」を動かしています。
そして「ライフよりワークが先」という言葉。仕事が充実してこそ、家族との時間も輝く。この会社では仕事と暮らしが自然につながっていました。「自分の足で動け」というメッセージは、自ら異業種に飛び込んだ山中さんだからこその言葉でした。