Company Report

北次株式会社

つなげる、包む、届ける——。

大阪府・門真市 縫製業
01

門真市にある製造業で多品種の縫製を行っています。

02

最新の機械と長年培った技術が生み出す100%日本製の高品質な縫製製品を届けています。

03

ものづくりの現場は温かく柔らかくまさに作り出す製品そのものです。

わたしたちからみた北次さん

常識が覆る布もの工房

空間に溶け込む製造業。

空間に溶け込む製造業。

北次株式会社は、大阪府門真市の住宅街の中にある、ものづくりの会社です。住宅街の中に工場があるというのは少し意外な印象を受けましたが、その場所には地域とのつながりが感じられました。

そんな北次株式会社は、縫製を主力とする製造業を営む企業です。事前に会社のウェブサイトを拝見していたこともあり、「縫製」と聞いて、私たちは自然とミシンを使って布を縫い合わせる作業を想像していました。「これまで見学してきた製造業の中でも、比較的親しみやすい分野なのではないか」と、勝手に思い込んでいました。

ところが、実際に工場内で作業工程を目にすると、その印象は大きく覆されることになります。工場に入る前のわたしたちは、まだなにもわかっていなかったのです。

機械と人が共存する空間

最新の裁断機器。

最新の裁断機器。

工場の中に入ると、北次社長が笑顔で私たちを迎え入れてくれました。訪問に緊張していた私たちも、その温かい対応のおかげで自然とリラックスすることができました。

最初に目にしたのは、プログラミングを活用した縫製や二本針を使った特殊な縫製など、これまでの私たちの縫製に対する常識を覆す光景でした。手作業のイメージが強い縫製にまでここまで高度な技術が取り入れられているとは、予想もしていなかったため、驚きでした。

さらに、その技術の進化は裁断の工程にも及んでいます。以前は、特殊なカッターやキャスター付きの手動工具を使い、人の手で一つひとつ裁断していたとのこと。しかし現在では、最新の機械が導入され、プログラミングによって半自動で裁断を行えるようになっています。

それでも、複雑な形状の裁断など、機械では対応できない部分では手作業が求められます。北次株式会社では、進化を単なる効率化の手段とせず、長年培われた職人技と組み合わせることで、より高い品質を実現しています。ここには機械の精密さと人の手の温かさが共存しており、どちらのすごさも感じられる貴重な体験でした。

ぬくもりも一緒に届けるあたたかい布ものづくり

ひとつひとつ丁寧に解説していただきました。

ひとつひとつ丁寧に解説していただきました。

布製品が作り上がる工程は、通常の製造業と大きくは変わりません。しかし、その中にある細やかな配慮と温かみが、この業界ならではの魅力を感じさせます。

まず、お客様から希望する製品の情報をヒアリングし、それを図面に起こすところからスタートします。図面に基づいてサンプルを作成し、問題がなければ本格的な製品づくりが始まります。

布を裁断し、縫製を施していく工程では、素材選びや糸の選定が非常に重要です。同じ色の糸でも、数十種類の中から製品や素材に最も適したものを選び出す必要があります。

検査工程では、品質を確保するために一つひとつの製品を丁寧にチェックします。特筆すべきは、不良率がわずか2%程度に抑えられていること。北次さんの品質の高さがよく伝わります。

工場内で目を引いたのは、現場で働く方々の約9割が女性だったことです。作業の丁寧さだけでなく、現場全体に漂う和やかでアットホームな雰囲気も印象的でした。作業の合間に交わされるコミュニケーションが多く、まるで家のような温かさを感じました。

取材メモ

縫製の世界にも、進化した技術が確実に取り入れられていました。しかし、それだけでは完結せず、やはり人の手が必要とされる部分が多くあります。その一つひとつの工程で、「北次さんだからこそできる」ものづくりのすごさが、ひしひしと伝わってきました。

そんな高度な現場で、楽しそうに働く従業員の皆さんの姿がとても印象的でした。この会社で働くことで、穏やかな気持ちで仕事に向き合えるんだろうな、と心から感じました。

INTERVIEW 01

社長インタビュー

北次社長
北次社長
自社で制作したオリジナルキャンプグッズを紹介してくれました。
優しくも深い情熱があふれていた——。(南記者)
お仕事内容について具体的にお聞かせいただけますでしょうか?

うちではバッグやポーチをはじめとした布製品を作っている縫製工場です。オリジナルの製品も少しあって、だいたい全体の15%ぐらいですね。それ以外は、お客様からの依頼を受けて作る受注生産が中心になっています。

製品としては、有名ブランドや人気ブランドのバッグやポーチを作ることもありますし、ペット用品やアウトドア用品も扱っています。最近は医療関係のものも手がけていて、たとえば看護師さん用のナースポケットとか、介護用の食事エプロンなんかですね。

他社と比較して強みとなるポイントや魅力はどこですか?

一つは「いろんなものが作れる」という点だと思います。縫製工場って、一般的にはスラックスならスラックスだけとか、特定のカテゴリーに特化しているところが多いんですが、うちの場合は服は作らないんですけど、それ以外のいろんな製品を手がけているんです。

もう一つの強みが「一貫体制」で生産ができることです。設計段階から始まって、型紙を引いて形を作り、材料を発注し、裁断や縫製を経て、最終的には完成品をパッケージに入れてお客様の元に届けるところまで一貫して対応しています。

御社が大切にしている価値観はありますか?

「考える縫製工場」というのがうちの価値観の一つですね。自分たちでいろいろと考えながら仕事を進める、という姿勢を大切にしています。

この業界って、昔から続いている伝統的な産業でもあるんですが、正直なところどんどん廃れてきている部分もあるんです。だからこそ、私たちは「どうやったらもっと良くできるか」「どんな工夫ができるか」を常に考えながら仕事をしています。「考える縫製工場」であること、それが私たちの強みであり、未来に向けての挑戦でもあると思っています。

従業員の方のワークライフバランスを保つために取り組んでいることは?

土日祝日が休みという点は、働く上での良いところかなと思いますね。また、うちの工場は主婦の方が多い職場なんです。お子さんが急に熱を出したりしてお休みが必要になることもありますが、そういう場合でも比較的休みやすい雰囲気があります。

保育園に子どもを預けてから出勤する方が多いので、通常の勤務開始時間は9時なんですが、9時半から働くようなちょっとしたフレックス制度も取り入れています。

社内コミュニケーションを円滑にするために取り組んでいることは?

うちは年齢が高めの女性が中心なので、自然とコミュニケーションが円滑になっているところがありますね。

自分たちでやる取り組みの一つとして、ワークショップの企画があります。最近ではららぽーとでのイベントにも参加しました。ワークショップでは、いろんな部署のスタッフが参加するんですけど、その過程で普段あまり接点のない人たちが一緒に教え合ったりして、部署を越えたつながりが生まれています。

従業員の方に働きがいを感じてもらうために行なっている取り組みは?

「ファクトリズム」というオープンファクトリーイベントに参加しています。どなたでも工場を見学できるイベントで、実際の製造現場を見たり、ワークショップでものづくり体験をしてもらったりする内容です。

また、うちでは毎月一回、各部署でテーマを決めて改善活動をしています。部署ごとの対抗形式で、「不良品を減らす」「作業をもっと見える化する」といったテーマに取り組みます。発表会では、普段あまり表に立つ機会のないパートさんにも発表してもらいます。全員が自分の仕事をより良くしていこうという意識を持ちながら働けるのは、うちの職場の大きな特徴だと思います。

御社で働く1番の魅力はなんだと思いますか?

布ものづくりというのは、他の業種ではなかなか経験できない部分が多いと思います。1枚の布から様々な製品を作り上げる過程は、ものづくりの本質を学べる点が魅力です。

さらに、完成した製品がアパレル業界、インテリア業界、医療介護業界など、幅広い分野に向けて販売されていくことで、多様な業界と繋がりを持てるのも面白さの一つです。うちの会社は規模としては小さいですが、その分どの仕事をしていても全体像が把握しやすいのが利点だと思います。

では最後に、求職者の方へメッセージをお願いします。

今の就職市場は売り手市場で、皆さんにとっては選択肢が多い状況ですよね。でも、その分、企業側も早い段階からさまざまなアプローチをしてくるので、「本当に自分が入りたい会社を選べたのかな?」と感じることもあるかもしれません。

そんな中でも、自分を見失わず、「自分が好きなことは何か」「どんな環境で働きたいか」をしっかり考えながら就職活動を進めてもらえたらいいなと思います。ぼくらのような小さな会社では、仕事内容だけでなく、雰囲気や人との関わりも大切にしているので、そういった部分をぜひ見ていただければと思います。

取材メモ

私たちの質問に対して、真摯に、そして熱意を持って一つひとつ丁寧にお答えいただきました。その言葉の端々には、会社の理念や目指す方向性だけでなく、従業員一人ひとりや日々の仕事に対する深い愛情とこだわりが感じられました。

ただ利益を追求するだけではなく、「ものづくり」を通じて人々の生活を豊かにしたいという強い思いが伝わってきました。

INTERVIEW 02

従業員インタビュー

渡辺さん
縫製部 渡辺さん
日常生活で自分の製品に出会うととてもやりがいを感じるそうです。
多品種小ロットのおもしろさが伝わってきました——。(佐伯記者)
一日のスケジュールを教えて下さい。

まず外部でミシン作業をしてくれている方への商品の受け渡しから始まります。その後、ミーティングを行い、当日帰ってくる商品の確認や、自分が担当する商品の打ち合わせを行います。打ち合わせが終わると、実際に作業に取りかかります。夕方には、翌日の段取りと準備を進めて、一日を終える流れです。

工場や職場の雰囲気はどうですか?

会社全体がとても明るい雰囲気で、おばちゃんたちの活気が溢れているのが印象的です。いろんな場所から楽しそうな声が飛び交っています。この雰囲気のおかげで、会社の中が暗くなることがないんだろうなと思いますし、自分自身もその場にいるだけで元気をもらえるような、そんな明るさがあります。

残業や休日について教えてください。

繁忙期には1時間程度の残業があることもありますが、閑散期には定時の18時よりも早く帰れる日もあって、そういう時はすごくありがたいですね。

働いてやりがいを感じる瞬間はありますか?

やりがいを感じる瞬間は、自分が作った商品が実際に店頭で売られているのを見たときです。たまたまショッピングモールで自分が手掛けた商品を見つけたとき、「あっ、自分が作ったやつだ」と感じて、とても嬉しくなります。

こないだも、電車で実家に帰る途中に隣の席の人が私たちが作ったカバンを持っていて、「私が作っているんです」と声をかけたくなったほどです。

御社で働く上での1番の魅力はなんですか?

一番の魅力は、いろんな商品を作れることですね。他の会社では、大量生産が中心で同じものを繰り返し作ることが多いかもしれません。でも、私たちの会社は少ロット多品種が特徴で、少ないときは50個から製作することもあります。さまざまな製品を手がける機会が多く、自分自身の勉強になりますし、新しい知識を学べるのがとても楽しいです。

印象に残っている出来事はありますか?

一番印象に残っているのは、自分のミスで不良を出してしまった時のことです。50枚くらいの製品が対象で、納期を1ヶ月ほど延ばしてしまうことになりました。入社1年目くらいで、正直かなり落ち込みました。

でも、その時に先輩たちが遅くまで一緒に残って助けてくれて、本当にありがたかったのを今でも覚えています。ミス自体はいい思い出ではないんですが、先輩たちの支えを感じられたことが強く印象に残っています。

では最後に求職の方へメッセージをお願いします。

やっぱりコミュニケーション能力があれば、どこでもやっていけると思います。特に、大切なのは「分からないことがあればすぐに聞く力」をつけることですね。分からないままにせず、誰かしらに質問できるようになれば、仕事はなんとかなると思っています。

最初は緊張するかもしれませんが、勇気を出してどんどん周りに聞くようにしてください。それが、成長につながる大事な一歩になると思います!

取材メモ

渡辺さんのお話の様子から、会社を心から大切に思っていることが伝わってきました。温かく素敵な空気感は、従業員の皆さんも日々感じているものであり、その空気がより良いコミュニケーションを生み出しているのだと改めて分かりました。

そのコミュニケーションがあるからこそ、自然と助け合いの文化が根付いており、それがより良い仕事と高品質な製品につながっているのだと実感しました。

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